研究者業績

池田 寛人

イケダ ヒロト  (HIROTO IKEDA)

基本情報

所属
学習院大学 学生相談室
学位
博士(人間科学)(2021年3月 早稲田大学)

J-GLOBAL ID
202301017011844098
researchmap会員ID
R000050928

論文

 6
  • 金子 泰徳, 池田 寛人, 藤島 雄磨, 梅田 亜友美, 小口 真奈, 高橋 恵理子
    パーソナリティ研究 31(1) 1-11 2022年4月27日  査読有り
    本研究の目的は,日本語版Pure Procrastination Scale (PPS-J)を作成し,その信頼性と妥当性を検討することであった。本尺度の原版は,行動の遅延によって事態がいっそう悪化することが予想されるにもかかわらず自発的に遅らせる事象である先延ばしを測定するものとして開発されている。本研究では,大学生195名を対象に確認的因子分析を行った結果,「実行の先延ばし」「決断の先延ばし」「非適時性」からなる12項目3因子構造が示された。十分な内的整合性と構成概念妥当性を有することが確認された。また,大学生57名を対象として,再検査信頼性を検討した結果,許容範囲の値が得られた。大学生44名を対象とした日常生活の調査から,PPS-Jの十分な構成概念妥当性が示された。これらの結果から,PPS-Jは国内においても先延ばしを測定する尺度として使用可能であることが示された。
  • 藤島 雄磨, 梅田 亜友美, 池田 寛人, 高橋 恵理子, 富田 望, 熊野 宏昭
    行動医学研究 26(1) 16-23 2021年  査読有り
  • 池田 寛人, 梅田 亜友美, 藤島 雄磨, 高橋 恵理子, 松野 航大, 熊野 宏昭
    行動医学研究 25(2) 207-215 2020年  査読有り筆頭著者
  • 藤島 雄磨, 池田 寛人, 梅田 亜友美, 高橋 恵理子, 富田 望, 熊野 宏昭
    行動医学研究 25(2) 227-235 2020年  査読有り
  • 梅田 亜友美, 高橋 恵理子, 池田 寛人, 根建 金男
    行動医学研究 25 14-22 2020年  査読有り
    マインドワンダリングとは、現在遂行中の作業や課題から、それと無関係な思考へと注意が移る現象であり、ネガ ティブ感情と双方向に関係することが示されている。そのため、マインドワンダリングの理解および制御法の検討が必要であると考 えられる。マインドワンダリングの制御には、マインドフルネストレーニング(MT)が有効である可能性が示唆されている。しかし、 MTがマインドワンダリングを減少させるメカニズムの詳細については明らかにされていない。そのため、本研究では注意制御機能に 着目し、マインドフルネスおよび注意制御機能と、マインドワンダリングおよび感情の関係を検討した。研究1では、149名の大学 生および大学院生を対象に質問紙調査を実施し、共分散構造分析を行った。その結果、注意制御機能が高まり、マインドワンダリ ングが減少することによって、ネガティブ感情が低減すること、マインドフルネスのアクセプタンスが直接ネガティブ感情を低減する ことが示唆された。研究2では、注意制御機能を高める注意訓練(ATT)とMTを実施し、マインドワンダリングおよび感情に与え る影響について比較検討した。実験参加者は、MT群(n=13)、ATT群(n=13)、統制群(n=11)にランダムに割り振った。 実験は2週間の期間をおいて、プレテストとポストテストの2日間にわたって行った。プレテストでは、質問紙セットへの回答を求めた 後、MT群は20分間のMTに取り組むことを、ATT群は15分間のATTに取り組むことを、統制群は15分間眠らずに何もしないよう にすることを、それぞれ求めた。その後、全ての群でSustained Attention to Response Task(SART)を実施し、マインドワン ダリングを測定した。MT群およびATT群には、ポストテストまで2週間毎日トレーニングを行うように、統制群には普段通り過ごす ように、それぞれ求めた。プレテストとポストテストは、同様の手続きであった。操作チェックの結果、ATT群では注意制御機能が 向上していたが、MT群では今ここに存在することのみ得点が向上していた。マインドワンダリングについて、SART errorは統制群 のみで得点が向上しており、MT群およびATT群ではマインドワンダリングを制御することが可能になった可能性が考えられる。ま た、抑うつ、不安のネガティブ感情については、群間に差がみられなかった。研究2の結果から、マインドワンダリングの制御には、 注意制御機能およびマインドフルネスのアクセプタンスが有効である可能性が示された。マインドワンダリングは一般的・日常的な 現象であることから、マインドワンダリングの制御に困難感を抱いている人は少なくないと考えられる。本研究によって、マインドワ ンダリングの理解および制御法に関する有益な知見が得られたと考えられる。
  • 池田 寛人, 宮崎 球一, 松野 航大, 根建 金男
    行動医学研究 23(1) 24-31 2017年  査読有り筆頭著者
    近年、抑うつや不安に対する介入方法として、メタ認知療法(metacognitive therapy:MCT)が注目を集めてい る。MCTでは、感情にアプローチする際に、反すうや心配の維持要因であるメタ認知的信念(metacognitive belief:MCB)に 介入の焦点をあてる。MCTの抑うつモデルでは、反すうや反すうに関するポジティブ/ネガティブなメタ認知的信念が抑うつに及ぼす 影響が示されている。しかし、先行研究で抑うつに対する影響が示されている心配に関しては、抑うつのメタ認知モデルの中では考 慮されていない。また、心配に関するポジティブ/ネガティブなメタ認知的信念、認知的自信の低さや認知的自己意識など、抑うつ との関連が考えられるMCBも、考慮されていない。そこで本研究では、心配の影響も考慮したMCTの抑うつモデルの検討を目的と した。大学生を対象として調査を行ったところ、219名分の有効回答を得た。得られたデータを使用して、共分散構造分析を行っ た。十分なモデル適合度が得られたモデルを、最終モデルとして採択した。仮説モデルでは、心配と反すう、およびMCBが抑うつ に及ぼす影響を検討した。結果として、反すうと心配、および心配に関するネガティブな信念が抑うつに対して有意な正の影響を与 えていた。また、反すうに関するポジティブなメタ認知的信念と反すうに関するネガティブなメタ認知的信念が反すうと心配を介して 抑うつに有意な正の影響を示していた。さらに、認知的自己意識や認知的自信の低さといった、先行研究では抑うつに対する影響 が考慮されていなかったMCBから、抑うつに対しての心配や反すうを介して抑うつに有意な正の影響が示された。以上、本研究の 結果から、心配と反すう、および 認知的自己意識や認知的自信の低さを含むMCBの影響が示された。本研究の結果から、抑うつ に対するメタ認知療法のなかで、様々な変数を扱うことが、理論的に可能になったと言える。

MISC

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教育業績(担当経験のある科目)

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