研究者業績

嶋田 透

シマダ トオル  (Toru Shimada)

基本情報

所属
学習院大学 理学部 生命科学科 教授
東京大学 (名誉教授)
学位
農学博士(1987年3月 東京大学)

研究者番号
20202111
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-5791-0000
J-GLOBAL ID
200901095804616011
Researcher ID
A-2033-2011
researchmap会員ID
1000012955

外部リンク

カイコや野蚕を主たる材料にして、ゲノム科学、遺伝学、進化生物学などの研究を進めている。


主要な論文

 246

MISC

 164
  • 伊藤克彦, 勝間進, 山本公子, 門野敬子, 三田和英, 嶋田透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 53rd 107 2009年3月12日  
  • 藤井告, 大門高明, 阿部広明, 勝間進, 嶋田透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 53rd 2009年  
  • 瀬筒秀樹, 内野恵郎, 下村道彦, 南博, 宮下靖史, 佐藤親忠, 大門高明, 佐藤丈太郎, 嶋田透, 飯塚哲也, 小林功, 立松謙一郎, 米村真之, 三田和英, 田村俊樹
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 79th 40 2009年  
  • 佐藤丈太郎, 大門高明, 光廣政男, 内野恵郎, 瀬筒秀樹, 小林功, 田村俊樹, 勝間進, 嶋田透
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 79th 40 2009年  
  • 伊藤克彦, 勝間進, 城所久良子, 山本公子, 三田和英, 嶋田透, 門野敬子
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 79th 20 2009年  
  • 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会誌 52(3) 167-168 2008年8月25日  
  • 佐藤丈太郎, 大門高明, 光廣政男, 内野恵郎, 瀬筒秀樹, 小林功, 田村俊樹, 勝間進, 嶋田透
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 78th 53 2008年3月20日  
  • 一ツ山 知行, 勝間 進, 大門 高明, 嶋田 透, 今西 重雄, 川崎 秀樹, 岩永 将司
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (52) 100-100 2008年3月12日  
  • 伊藤 克彦, 山本 公子, 門野 敬子, 三田 和英, 勝間 進, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (52) 109-109 2008年3月12日  
  • 藤井 告, 阿部 広明, 大沼 昭夫, 勝間 進, 三田 和英, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (52) 110-110 2008年3月12日  
  • 河岡 慎平, 南 皓輔, 勝間 進, 三田 和英, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (52) 110-110 2008年3月12日  
  • 阿部広明, 藤井告, 嶋田透, 三田和英
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 78th 2008年  
  • 佐藤丈太郎, 大門高明, 藤井告, 三田和英, 田村俊樹, 勝間進, 嶋田透
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 78th 2008年  
  • 藤井告, 大門高明, 勝間進, 内野恵郎, 瀬筒秀樹, 田村俊樹, 三田和英, 阿部広明, 嶋田透
    生化学 2P-0581 2008年  
  • 門野敬子, 伊藤克彦, 城所久良子, KALYEBI Andrew, 山本公子, 野畑順子, 嶋田透, 勝間進, 田村俊樹, 三田和英
    日本ウイルス学会学術集会プログラム・抄録集 55th 118 2007年10月1日  
  • K. Mita, M. Kasahara, S. Sasaki, Y. Nagayasu, T. Yamada, H. Kanamori, N. Namiki, M. Kitagawa, H. Yamashita, Y. Yasukochi, K. Kadono-Okuda, K. Yamamoto, M. Ajimura, G. Rvikumar, M. Shimomura, Y. Nagamura, T. Shin-I, H. Abe, T. Shimada, S. Morishita, T. Sasaki
    JOURNAL OF INSECT SCIENCE 7 2007年5月  
  • 河岡 慎平, 大門 高明, 大室 奈緒子, 磯野 涼子, 三田 和英, 勝間 進, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (51) 31-31 2007年3月1日  
  • 藤井 告, 阿部 広明, 勝間 進, 三田 和英, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (51) 132-132 2007年3月1日  
  • 伊藤 克彦, 城所 久良子, Kalyebi Andrew, 山本 公子, 野畑 順子, 笹沼 俊一, 笹沼 基恵, 三田 和英, 勝間 進, 嶋田 透, 門野 敬子
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (51) 167-167 2007年3月1日  
  • 鈴木雅京, 今西重雄, 嶋田透, 松本正吾
    生化学 2007年  
  • 大門高明, 光廣政男, 内野恵郎, 瀬筒秀樹, 小林功, 神田俊男, 田村俊樹, 嶋田透
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 77th 37 2007年  
  • 伊藤克彦, 城所久良子, KALYEBI Andrew, 山本公子, 野畑順子, 笹沼俊一, 笹沼基恵, 小林功, 内野恵郎, 瀬筒秀樹, 神田俊男, 田村俊樹, 江口良橘, 原和二郎, 三田和英, 勝間進, 嶋田透, 門野敬子
    日本蚕糸学会大会・蚕糸・昆虫機能学術講演会講演要旨集 77th 72 2007年  
  • Isao Kobayashi, Guo-Xing Quan, Katsura Kojima, Keiro Uchino, Toshio Kanda, Hideki Sezutsu, Toru Shimada, Toshiki Tamura
    Insect Science 14 85-92 2007年  
  • 木口 憲爾, 小林 正彦, 茅野 春雄, 井上 元, 嶋田 透, 藤井 博, 伴野 豊, 竹田 敏, 小瀬川 英一, 清水 治, 鈴木 幸一, 小林 淳, 蜷木 理
    蚕糸・昆虫バイオテック 75(2) 123-127 2006年8月1日  
  • 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (50) 182-182 2006年3月1日  
  • Toru Shimada, Takaaki Daimon, Shunsuke Funaguma, Susumu Katsuma, Hiroaki Abe, Kazuei Mita
    ZOOLOGICAL SCIENCE 22(12) 1377-1377 2005年12月  
  • 野畑順子, 山本公子, 門野敬子, 安河内佑二, 南博, 下村道彦, 嶋田透, 小副川和豊, DEJONG Pieter, 三田和英
    日本分子生物学会年会講演要旨集 28th 154 2005年11月25日  
  • 嶋田 透, 小池 淑子, 照屋 伝, 三田 和英
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (49) 230-230 2005年3月1日  
  • 野畑順子, 山本公子, 門野敬子, 安河内佑二, 嶋田透, 小副川和豊, DEJONG P, 三田和英
    日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集 27th 512 2004年11月25日  
  • 神村 学, 菊池 鏡子, 野田 博明, 三田 和英, 加藤 康仁, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (48) 184-184 2004年3月1日  
  • 大手 学, 三田 和英, 川崎 秀樹, 嶋田 透, 小林 正彦
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (48) 185-185 2004年3月1日  
  • 嶋田 透, 鈴木 雅京, 高橋 道佳, 大室 奈緒子, 三田 和英
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (48) 118-118 2004年3月1日  
  • 小林功, 全国興, 嶋田透, 小島桂, 内野恵郎, 神田俊男, 田村俊樹
    農業生物資源研究所主要な研究成果 2003 2004年  
  • 三田 和英, 嶋田 透
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (47) 162-162 2003年3月1日  
  • 小林功, QUAN G-X, 嶋田透, 小島桂, 内野恵郎, 神田俊男, 田村俊樹
    日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集 26th 2003年  
  • 大手 学, 三田 和英, 川崎 秀樹, 関 元昭, 小林 正彦, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 2003 106-106 2003年  
    完全変態昆虫であるカイコの翅原基は、変態期に形態を急激に変化させ成虫組織へと成長する。このメカニズムを解明することを目的として、翅原基の蛹化の過程での遺伝子発現プロフィールをマイクロアレイを用いて観察した。実験は5齢4日目から蛹化直後の13時点で2__から__4回繰り返し、計38回行った。その結果、マイクロアレイ上の5128遺伝子のうち3059遺伝子について十分な発現パターンが得られた。それらの遺伝子について解析を行った結果、発現量が変動する遺伝子を686個同定した。それらは、体液中のエクジステロイド濃度の上昇する時期に増加する遺伝子が77個で、現在までに報告されているBHR3、Urbain、キチナーゼ遺伝子などを含む他、タンパク質の分解、基底膜の形成、糖代謝、アミノ酸代謝、アミノ酸輸送、電子伝達などに関わる遺伝子に相同性の高いものを含んでいた。エクジステロイドのピークの後に増加してくる遺伝子は179個同定され、クチクラの形成、膜輸送、タンパク質輸送、ATP合成、ステロイド代謝などに関わる遺伝子に相同性が高かった。また、発現量が減少する遺伝子も234個あり、核酸の代謝、基底膜の形成、ヘパラン硫酸合成などに関わる遺伝子に相同性が高かった。
  • 野地 貴憲, 大手 学, 武田 昌久, 三田 和英, 嶋田 透, 川崎 秀樹
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 2003 63-63 2003年  
    カイコのESTライブラリーに存在する5760クローンをマイクロアレイ法を用いて、翅原基の20E処理の有無で発現量を比較したところ、20Eに誘導されるクローンが多数見いだされた。これらの内、クチクラタンパク質をコードする遺伝子(BMWCP10)と以前に報告した、エクダイソンパルスで誘導されるクチクラタンパク質をコードする遺伝子(BMWCP2)との発現比較を行った。BMWCP10はエクダイソン上昇で発現量が増加し、BMWCP2はエクダイソンが下降する時期に発現がみられた。in vitro でBMWCP2は4時間の20E処理後、18時間以上のホルモンフリーで発現がみられ、BMWCP10は20E処理30分後から発現した。またシクロヘキシミドの添加はBMWCP2ではホルモンフリー時に添加することにより発現を阻害したが、BMWCP10では阻害作用は示さなかった。 以上のことから、マイクロアレイ法はホルモン誘導性の遺伝子検索に有効であること、BMWCP10はエクダイソンに直接誘導され、BMWCP2はエクダイソンパルスで誘導され、それぞれエピ、プロクチクラを形成するものと推定された。
  • 鈴木 雅京, 船隈 俊介, 神田 俊男, 田村 俊樹, 松本 正吾, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 2003 84-84 2003年  
    ショウジョウバエの性決定遺伝子<I>doublesex</I>のカイコホモログ<I>Bmdsx</I>には雄型と雌型が存在する。<I>piggyBac</I>遺伝子導入ベクターを用いて雄型の<I>Bmdsx</I>を雌カイコにおいて強制発現させると、これらの雌蛾の外部生殖器及び内部生殖器において雄に特徴的な器官(把握器、鈎器、陰茎、付属腺、貯精嚢、射精管)の部分的な形成がみられる(第25回分子生物学会年会発表)。その後の解析により、これらのトランスジェニック雌では雌特異的に合成されるビテロジェニンの発現量が形態的変異の程度に応じて減少しているばかりでなく、雄の触角で高い発現を示すpheromone binding proteinの発現量が増加していることがわかった。以上の結果は、雄型<I>Bmdsx</I>がカイコの雄分化に関与することを強く示唆している。
  • 船隈 俊介, 鈴木 雅京, 神田 俊男, 田村 俊樹, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 2003 83-83 2003年  
    我々は、先の学会(第72回全国大会)において発表した通り、雌型<I>Bmdsx</I>がカイコにおいて性分化を引き起こす遺伝子の一つであるという知見を得ている。また、雄型Bmdsxを強制発現するトランスジェニックカイコを作出したところ、トランスジェニック雌蛾の生殖器の一部が雄様の形態を示したことから、雄型Bmdsxも雌型Bmdsxと同様にカイコにおいて性分化を引き起こす機能を有することが明らかとなった。(鈴木ら、本大会)。但し、昨年度発表した雌型<I>Bmdsx</I>トランスジェニックカイコでは、生殖器の形態に異常は見られていない。上記の雌型<I>Bmdsx</I>トランスジェニックカイコと生殖器の形態に異常の見られた雄型<I>Bmdsx</I>トランスジェニックカイコとでは、トランスジーンを発現させるために用いたプロモーターが異なること(前者がie1プロモーター、後者がキイロショウジョウバエhsp70プロモーター)がその原因の一つであると考え、現在、雌型Bmdsxをキイロショウジョウバエhsp70プロモーターによって強制発現させるトランスジェニックカイコを作出し、表現型を解析しているところである。本大会ではその結果を報告する。
  • 関 元昭, 高橋 道佳, 大手 学, 鈴木 雅京, 三田 和英, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 2003 86-86 2003年  
    カイコの性はW染色体上に仮想的に座乗する雌決定遺伝子Femによって決定すると考えられている。また、性決定機構の下流にある遺伝子Bmdsxは産卵後約90時間目でそのmRNAの性特異的なスプライシングを確立するので、それ以前にFemおよびその下流の性決定遺伝子が機能していると考えられる。そこで性決定に関与する遺伝子群を同定するために、カイコESTデータベースに記載されている約6000個の遺伝子を搭載したcDNAマイクロアレイを用いて性特異的なRNAを経時的に探索した。限性黒卵系統の受精卵、産卵後36から96時間目のものを用いてスクリーニング行ったところ、約400種類の遺伝子について2倍以上の雌雄差を検出した。相同性検索の結果、その中にはRNA結合タンパク質をコードする5種類の遺伝子とDNA結合タンパク質をコードする2種類の遺伝子が含まれていた。これらは性特異的な遺伝子発現調節へ関与している可能性が示唆され、現在より詳細な発現解析を行っている。また、36時間目以前の時点における受精卵を使った雌雄の比較も進行中であり、その結果も合わせて報告したい。
  • K Mita, M Morimyo, K Okano, Y Koike, J Nohata, MG Suzuki, T Shimada, MR Goldsmith
    MOLECULAR BIOLOGY OF THE CELL 13 240A-240A 2002年11月  
  • 嶋田 透, 三田 和英
    日本応用動物昆虫学会大会講演要旨 (46) 177-177 2002年3月10日  
  • 大門 高明, 浜田 晃太郎, 鈴木 雅京, 小林 正彦, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 72 129-129 2002年  
    BmChi-hは、カイコのESTから発見された遺伝子で、キチナーゼ様のタンパク質をコードしている。BmChi-hがコードするタンパク質は、セラチア菌などの細菌と高い相同性があるが、鱗翅目以外の真核生物には相同な配列が知られていない。これらはBmChi-hが細菌から鱗翅目昆虫に水平移動した可能性を示している。キチナーゼは通常昆虫においては脱皮に必要な酵素であり、脱皮期特異的かつ組織特異的な発現が知られている。このような特異的発現を示さないキチナーゼは、昆虫にとっておそらく致命的である。私たちは、BmChi-hは細菌型のキチナーゼをコードしているにもかかわらず、カイコにおいては他の昆虫のキチナーゼと同様に、脱皮期に特異的に発現するのではないか、との仮説を立て、BmChi-hmRNAの発現の組織特異性ならびに経時変化を調査した。すなわち、4齢起蚕から蛹化まで24時間ごとに脂肪体·中腸·真皮の各組織から全RNAを調製し、BmChi-hcDNAをプローブとしてノーザンブロッティングでBmChi-hmRNAの発現を解析した。その結果、脂肪体では全発育段階を通じてmRNAがほとんど検出されなかったのに対し、中腸と真皮においては、4眠期および吐糸期に約2.4kbのmRNAが検出され、mRNA量が極大に達する日時は、中腸と真皮でほぼ一致していた。mRNAの増減はかなり急激であり、たとえば吐糸期の真皮においては、吐糸開始後2日目にはわずかしかないmRNAが3日目に突然多量に現れ極大となったのち、4日目には2日目と同じくらいの少量まで激減した。おそらくBmChi-hの転写および分解は、血中エクジステロイド濃度の増減に呼応していると考えられる。以上より、BmChi-hは細菌から水平移動してきた遺伝子である可能性があるにもかかわらず、カイコでは脱皮期に限定して、しかもキチンを分泌している組織に限って発現すること、すなわち合理的な調節を受けていることが明らかになった。
  • 小池 淑子, 嶋田 透, 鈴木 雅京, 三田 和英
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 72 111-111 2002年  
    私たちは、カイコのZ染色体のゲノム解析を進めている。Z染色体の40.0cMの位置に座位することが知られているBmkettin遺伝子の周辺約350kbにわたるBACのコンティグを作成し、その全塩基配列をショットガン法によって決定した。その結果、Bmkettinの周辺に筋タンパク質と推定されるタンパク質をコードする遺伝子が、Bmkettin以外に3個存在することに気づいた。すなわち、ショウジョウバエの2種類のtitin様遺伝子CG18857とCG18242のそれぞれに相同な2遺伝子、およびprojectin様遺伝子CG14964に相同性の高い1遺伝子が見つかった。これらをそれぞれBmtitin1、Bmtitin2、Bmprojectinと名付けた。各遺伝子について、塩基配列からORFを予測し、エクソンとイントロンを決定した。翻訳産物のアミノ酸配列を予想したところ、KettinとBmKettinの全体的な相同性は69.6%であり、CG18857とBmTitin1では29.25%、CG18242とBmTitin2では40.2%、CG14964とBmProjectinでは32.4%だった。これらに対応するショウジョウバエの遺伝子は第3染色体に隣接してしていることが知られており、少なくともこの染色体領域に関しては、カイコとショウジョウバエの間にシンテニーが見られる。Kettinをはじめとするこれらのタンパク質は、ショウジョウバエや哺乳類においては筋原線維のアクトミオシン構造を保持する機能を持っている。カイコのBmkettinおよびT15.180aの少なくとも二つの伴性遺伝子座では遺伝子量補正がなく、雄では雌の2倍量の転写産物が生じることが知られている。おそらく上述の3遺伝子についても、雄が雌の2倍量の発現を示すと予想される。そうであれば、雄の筋肉は雌の筋肉と異なる構造をとる可能性があり、そのことは成虫の行動に見られる雌雄差を説明できるかもしれない。
  • 関 元昭, 大手 学, 三田 和英, 大林 富美, 鈴木 雅京, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 72 57-57 2002年  
    カイコの性決定に深く関与すると考えられているBmdsx遺伝子は、即時浸酸後約60時間の胚子において、初めて性特異的なmRNAを発現する。また、Bmdsx遺伝子の性特異的なスプライシングはW染色体の存否に依存している(大林ら、未発表)。したがって、W染色体によるBmdsx遺伝子の調節は、受精から80時間の間に開始しているはずである。本研究では初期胚において性特異的に現れるRNAを網羅的に探索することによって、Bmdsxの調節機構の一端を解明しようと考えた。限性黒卵系統の休眠予定卵の産下後36時間の黒卵(雌)および白卵(雄)から、それぞれからpoly(A)+RNAを抽出し、逆転写およびCy3/Cy5による蛍光標識を施した。標識されたmRNAを、カイコの6000個のcDNAを搭載したマイクロアレイ(大手ら、昨年の蚕糸学会大会)とハイブリダイゼーションさせた。蛍光強度からmRNA量に雌雄差があると判断された2種類の遺伝子についてノーザン解析を行ったところ、そのうちの1遺伝子で雄が雌の約10倍のmRNAを発現していた。このcDNAの塩基配列は、ショウジョウバエでシャペロンの一種をコードする遺伝子l(2)eflと相同性を示した。Bmdsxの性特異的mRNAの発現には、雄特異的なスプライシング抑制因子が必要である(Suzuki et al., 2001)ので、このl(2)efl様遺伝子の産物は、雄型Bmdsx mRNAの形成に何らかの形で関与している可能性がある。
  • 外城 寿哉, 大林 富美, 鈴木 雅京, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 72 35-35 2002年  
    Bmdsxは、ショウジョウバエのdoublesexに相同なカイコの性決定遺伝子である。既に発表した通り、Bmdsxはカイコの幼虫、蛹、成虫のほとんどすべての組織で性特異的なmRNAを発現している。Bmdsxの性特異的発現は胚子発育まで遡ることができ、胚子のBmdsx mRNAに雌雄差が見いだされるのは、産下後90時間以降である。今回、我々はカイコ胚子におけるBmdsxの発現を組織学的に解析し、胚子発育と性分化の関係について考察した。蚕品種は東京大学で継代されている限性黒卵を用いた。観察には、産下後12時間から168時間までの卵を用いた。産下後37時間以降は、卵色により雌雄別々にサンプリングした。卵殻を除去した産卵を固定·脱水し、パラフィン切片を作成した。in situハイブリダイゼーション法によりBmdsx mRNAの発現部位を観察したところ、胚子および漿膜に比較的強いシグナルが認められた。胚子では、部位による発現量の大きな違いは認められず、胚子全体からシグナルが検出された。また、胚子におけるBmdsx mRNAの発現パターンには、明確な雌雄差が認められなかった。さらに、雌型mRNAに特異的なプローブを用いて産下後96時間の雄胚子に反応させたところ、陽性シグナルは観察されなかった。このことから、胚子自身におけるBmdsxの性特異的スプライシングは、産下後96時間にすでに実現していると推測される。一方、産下後96時間までは胚子の発育ステージの進行に伴って、Bmdsx mRNAのシグナルが強くなる傾向が認められた。免疫組織化学により胚子におけるBmDSXタンパク質を検出したところ、産下後96時間を経過して初めて胚子におけるBmDSXタンパク質のシグナルが認められた。このことから、カイコ胚子における性分化は、産下後96時間以降に生じることが予想された。
  • 船隈 俊介, 鈴木 雅京, 神田 俊男, 田村 俊樹, 嶋田 透
    日本蚕糸学会 学術講演会 講演要旨集 72 34-34 2002年  
    Bmdsx遺伝子の機能を明らかにするために、私たちは雌型Bmdsxを強制発現するトランスジェニックカイコ(以後Bmdsxトランスジェニックと呼ぶ)を作出した。このトランスジェニック系統では、確かにトランスジーンが発現していること、および雄に本来ないはずのビテロジェニンmRNAが発現することが判明している(鈴木ら、本大会)。そこで、カイコの脂肪体が合成するもう一つの雌特異的タンパク質SP1の遺伝子についても解析したところ、Bmdsxトランスジェニック雄の脂肪体では確かにSP1 mRNAが対照の正常雄よりも多く発現していた。続いて、BmDSXタンパク質がSP1遺伝子のプロモーター領域に結合するか否かをゲルシフトアッセイにより解析したところ、転写開始部位の上流810bpまでのDNA断片にBmDSXは結合しなかった。従って、Bmdsxは何らかの因子を介して間接的にSP1遺伝子の雌特異的な転写を誘導している可能性がある。さらに、Bmdsxの強制発現が生殖に与える影響を調査した。Bmdsxトランスジェニック雄と正常雌の交尾成立までの時間を計測した結果、正常個体同士の交尾に比べて明らかな遅延が観察された。つまり、雌型Bmdsxは雄の交尾行動を阻害するらしい。また、Bmdsxトランスジェニック雌に正常雄を交配して得られた産下卵の着色卵歩合および孵化歩合は、正常個体同士の交配によって得られた産下卵の着色卵歩合、孵化歩合に比べて低下し、Bmdsxトランスジェニック雌個体の産下する卵に何らかの異常がある可能性が示された。以上より、Bmdsxはビテロジェニン遺伝子の雌特異的発現のみならず、SP1遺伝子の雌特異的な発現、ならびに成虫の妊性にも関与していることが明らかとなった。これらの事実は、Bmdsxがカイコの性決定遺伝子であることを強く支持している。
  • 岡野 和広, 小池 淑子, 嶋田 透, 前田 進, 三田 和英
    日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集 21 262-262 1998年12月1日  
  • 大林 富美, 阿部 広明, 黄色 俊一, 三田 和英, 岡野 和広, 鈴木 雅京, 嶋田 透
    日本分子生物学会年会プログラム・講演要旨集 21 266-266 1998年12月1日  

主要な書籍等出版物

 14

主要な教育業績(担当経験のある科目)

 33

主要な所属学協会

 15

主要な共同研究・競争的資金等の研究課題

 45

産業財産権

 1