福元 健太郎
『選挙研究』19号 19(19) 101-110 2004年 査読有り
本稿は,1947年から1990年までの衆参両院議員を対象として,どのような前歴•属性を持った者が選挙を経て国会議員としてリクルートされるのかという側面と,いつ何故国会議員たることを止めるのかという論点について,国際比較を交えつつ検討する。その際,従来のように議員の前歴を1つに限るのではなく,複数の前歴を考慮することで相互の連関を検討する。その結果,公明党と共産党の引退年齢が若いこと,公明党は若年層•地方議会議員出身が多いこと,社会党において議員ポストが年を経るにつれて労組幹部の上がり職と化していったこと,共産党•民社党は社会党ほど官公労に人材を依存していないこと,地方政治家が国会議員になる上で県会議員を経ることが重みを年々増してきたこと,などが明らかになった。