浅川 香, 田中 章浩, 今井 久登, 坂本 修一, 鈴木 陽一
電子情報通信学会技術研究報告. HIP, ヒューマン情報処理 108(356) 131-135 2008年12月11日
視覚と聴覚の物理的な非同期は,一定の時間範囲であれば統合され,同期していると感じられる.この視聴覚統合の時間窓は,非音声刺激を用いた場合,一定の時間差に順応すると補正される.本研究では,この補正が,音声における視聴覚統合の時間窓においてどのように機能するかを明らかにするため,視聴覚呈示タイミングに一定の時間差のある単音節の視聴覚音声刺激を観察させ,その後時間順序判断課題を行った.その際,観察時間を操作し,観察量と補正の関係を検討した.その結果,音声においても補正が機能し,その補正は,観察量および判断に先行する文脈によって影響を受ける可能性が示唆された.