研究者業績

深海 雄介

フカミ ユウスケ  (Yusuke Fukami)

基本情報

所属
学習院大学 理学部 化学科 助教
学位
博士(理学)(東京工業大学)

研究者番号
10754418
ORCID ID
 https://orcid.org/0000-0002-6066-8761
J-GLOBAL ID
201901012340502578
researchmap会員ID
B000353081

論文

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MISC

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  • 深海 雄介, 横山 哲也, 奥井 航
    日本地球化学会年会要旨集 61 175-175 2014年  
    本研究では、Reisberg et al. (2009)の方法に基づいた段階的酸処理をAllende、Murchison、Tagish Lakeの3つの炭素質コンドライトに対して行い、得られた酸処理液中のTe同位体分析をTIMSにより行った。Allendeの耐酸性残渣以外の酸処理液には同位体異常は確認できず、プレソーラー粒子が保持していた元素合成由来のTe同位体異常がコンドライト母天体形成以前のネビュラプロセスによって消失したことを示唆している。一方で、Allendeの耐酸性残渣のTe同位体組成には、130Te/128Te比に負の同位体異常が見られた。この異常は、Maas et al.(2001)で計算されたII型超新星爆発由来のTe同位体組成由来の異常か、もしくはRichter et al. (1998)で報告されているAllende中のナノダイヤモンド由来のTe同位体異常との混合によって説明できる。
  • 横山 哲也, 深海 雄介, 永井 友一朗, 中本 泰史
    日本地球化学会年会要旨集 61 174-174 2014年  
    近年、隕石に様々な重元素同位体異常が発見され、初期太陽系は同位体的に不均質であったことが明らかとなった。一方、そのような同位体異常を示さない元素も存在する。このことは原始太陽系星雲内において均質化された元素とされない元素が存在することを示唆するが、その具体的メカニズムについては未だ不明である。我々はこれまでに報告されている隕石全岩と酸処理液の重元素同位体異常に関するデータをコンパイルし、それを元に初期太陽系の同位体不均質について検討した。その結果、隕石に観察される同位体異常は元素の揮発性と強い関係を持つことが明らかとなった。隕石全岩に明確な同位体異常が観察されるのはSrやMoなど、50%凝縮温度が1300-1600Kの元素であり、これらの元素は太陽系内の熱プロセスによりダストの一部が選択的に破壊される際、固相と気相の双方に分配され、その後の固相―気相分離により同位体異常が形成されたと考えている。
  • Y. Fukami, T. Yokoyama, W. Okui
    44th Lunar and Planetary Science Conference 2013年3月  
  • Y. Fukami, T. Yokoyama
    Goldschmidt Conference 2012年6月  
  • Y. Fukami, T. Yokoyama
    43rd Lunar and Planetary Science Conference 2012年3月  
  • Y. Fukami, T. Yokoyama
    Goldschmidt Conference 2011年3月  
  • 深海 雄介, 横山 哲也
    日本地球化学会年会要旨集 58 227-227 2011年  
    隕石中に存在する元素合成起源の同位体異常を研究する際に、最も有用な元素の一つがテルル(Te)である。本研究では、プレソーラー粒子やCAI中の微小量Te同位体分析を行うことを目的として、負イオン表面電離型質量分析法(N-TIMS)を用いたTe同位体分析法の開発を行った。試薬によるテストの結果、200pgのTeに対しイオンカウンティングを使用した同位体比測定の繰り返し再現性(2 SD)はそれぞれ、120Te/128Teが約12‰、122, 123Te/128Teが約5‰、126, 128, 130Te/128Teが約2‰程度が得られた。本発表ではこれまでに得られた岩石標準試料及び始源的隕石のバルク測定結果について議論する。
  • 深海雄介, 入澤啓太, 木村純一, 横山哲也, 平田岳史
    日本地球惑星科学連合大会 2010年5月  
  • Y. Fukami, J. Kimura, K. Irisawa, T. Yokoyama, T. Hirata
    41st Lunar and Planetary Science Conference 2010年3月  
  • 深海 雄介, 木村 純一, 入澤 啓太, 横山 哲也, 平田 岳史
    日本地球化学会年会要旨集 57 272-272 2010年  
    IIIAB鉄隕石と石鉄隕石のパラサイトメイングループ(PMG)は化学組成や酸素同位体組成により、その起源について強く関連があると考えられている。本研究ではこれら隕石の金属部分のタングステン安定同位体組成をレニウム添加による外部補正法を用いて多重検出器型誘導結合プラズマ質量分析計により測定した。また、W濃度の測定を同位体希釈法により行った。IIIAB鉄隕石のW安定同位体比には質量に依存する同位体分別による変動幅が存在し、また、W安定同位体比とW濃度の間には強い相関が見られた。これらは母天体上での金属核固化過程に伴う同位体分別である可能性が示された。PMGの金属相のW安定同位体組成からはPMGの起源がIIIAB鉄隕石の母天体と関連があることが示唆される。
  • 深海雄介, 入澤啓太, 木村純一, 横山哲也, 平田岳史
    同位体比部会 2009年12月  
  • 入澤 啓太, 深海 雄介, 谷水 雅治, 平田 岳史
    日本地球化学会年会要旨集 55 359-359 2008年  
    現在、金属-珪酸塩分離年代を調べる最も有力な年代測定法は、ハフニウム-タングステン年代測定法と考えられている。この年代測定法を用いて、地球の核がCAI形成後から3000万年後に形成されたことがYinら(2002)によって報告された。しかしながら、この年代にはジャイアントインパクトによって核-マントル間におけるタングステンの完全同位体平衡が起きた、という仮定の上に成り立っている。そのため、より厳密な核-マントル分離年代を与えるには、惑星形成を通した金属相と珪酸塩相のタングステンの挙動について理解する必要がある。本発表では、レニウムを用いた外部補正法を適用し、隕石間におけるタングステン同位体組成を決定した。その結果、現在の上部マントルのタングステン同位体組成は、惑星の核を示す鉄隕石と同様な組成を持つことがわかった。

共同研究・競争的資金等の研究課題

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